追加2 MSPサマースクール

(1999.11.1 記)

 今年の夏(1999年8月25〜29日)にMSPというソフトウエアの講習会が大垣市の国際情報科学芸術アカデミーで開催されました。この講習会には私も参加しましたので、ここでその内容をご紹介したいと思います。

 MSPについては本文の第8章でも簡単に説明していますが、音楽用のプログラムが簡単にできるソフトウエアで、米国Cycling'74社の製品です。ただし、このMSPは単独では機能せず、同社のMaxというソフトウエアと組み合わせて使う必要があります。両方とも国内で販売されていますので、音楽用ソフトを扱っているパソコンショップなどで購入することができます。

 MaxはMIDI信号の制御を主としたマルチメディアプログラミング用のソフトウエアであり、あらかじめ用意されているオブジェクトと呼ばれるソフトのパーツを線でつないでいくだけでプログラムができるという便利なものですが、さらにMSPはMaxにリアルタイムのオーディオ信号制御機能を追加するソフトウエアで、この二つを組み合わせると非常に強力なサウンドツールが出来上がります。

 今回の講習会はMSPサマースクールという名称で、国際情報科学芸術アカデミーの赤松正行さんたちが世話役となって開催されたものです。講師はなんとMaxやMSPの開発者であるDavid Zicarelli氏、Mills大学のLeslie Stuck氏、フランス国立音楽音響研究所IRCAMの後藤英氏、国際情報科学芸術アカデミーの三輪眞弘氏、赤松正行氏という豪華メンバー(知らない人にはこのメンバーの豪華さは分からないでしょうが)でした。この5日間のセミナーの受講料がたったの2万円ですから、参加しない手はありません。

 参加者は音楽家や芸術系の大学の先生や学生など70名くらいで、予想以上に盛況でした。会場は最新の機材を備えた教室で、Macintoshがずらりと並び受講者はそれを操作しながら実習するというスタイルで講議が行われました。もちろん全てのMacintoshはネットワークに接続されており、実習の教材となるパッチ(Max/MSPで作ったプログラムをパッチと呼ぶ)はサーバーから適宜ダウンロードできるようになっていました。

 下の写真はそのときの風景で、真中にいるネクタイをしているのが私です。今回のサマースクールではスーツにネクタイというスタイルは私一人しか居なくて、業種の面でもかなり異色の存在のようでした。

(11-1)