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　インダストリアルサウンドデザインという言葉をご存知ですか。この言葉は私の造語ですから初めて聞かれる方が多いと思いますが、その意味するところは工業製品の音のデザインです。

　現在サウンドデザインはいろいろな分野で行われていて、サウンドデザイナーという職業も生まれています。ただし、それらは主に映画・TV業界やゲーム業界などが活動の中心となっていました。

　一方、工業製品から出る音に関するデザインはこれまであまり考えられておらず、せいぜい信号音の音色などがその対象となる程度でした。工業製品の外観形状や色彩などと比べて音はデザインの余地がないと思われるかもしれませんが、実際はそうではありません。

　例えば、近年自動車業界では音質の研究が盛んになっています。それは自動車の音が単なる騒音ではなく情報としての価値があるという認識が広まっているからです。そして音も商品性の重要な因子であることが認められるようになったからです。そのため、音質の評価や改善に関する技術開発が進んでいます。

　ところが、快い音や商品のコンセプトに合った音を創り込もうとするときに困るのは、音のデザインをするためのツールやデザインができる人材が不足していることです。

　このホームページではインダストリアルサウンドデザインの背景や現状から始め、最新の研究状況、音のデザインツールなどについてご紹介したいと思います。