ではどのような着信音にしたらよいのでしょうか。私の個人的見解としては、まず音量をもっと小さくすることと、「ポーン」とか「ピッ」という単音にすることです。前述のように携帯電話は個人が携行するものですから、音量はもっと小さくても十分に聞こえます。また、他の人が電話に出ることはありませんから、鳴り続ける必要はありません。

 一般に生物の聴覚や視覚は変化する刺激に対して敏感です。生物にとって止まっているものは自分にとってあまり気にするものではありませんが、動いているものは敵か餌かどちらかである可能性が高いからです。人間の聴覚も例外ではありません。定常的で変動のない音には鈍感であるのに対し、突発的な音に対しては非常に敏感になります。したがって、携帯電話の着信音ももっと小さくて短い音で十分であると思われます。

 皆さんは小さな会社やホテルの受け付けで、誰もいないカウンターに呼び鈴が置いてあるのをみたことがあると思います。普通あれは一回だけ鳴らすのがエチケットです。呼び鈴を連続してたたくのはかなり失礼なことだと思いますが、今の携帯電話は機械のくせにそのようなことをやっているわけです。

 最近では携帯電話を持つ人が増えたので、他人の携帯電話の着信音と区別するためにメロディーにしているケースが増えています。もし、単音にするとそのような区別ができにくくなる心配があります。しかし、それは音色を工夫することで他の人と違う音を出せるはずです。今は電子ブザーを使っているのであまり音色に変化を付けられませんが、携帯電話はせっかくスピーカを持っているので、それを使えばもっとバリエーションのある音が出せると思います。

 単音一回だけの着信音では気がつかない可能性もありますので、それを補う手段としては大きなランプを点滅させて着信状態を知らせるとか、5秒か10秒後に最初より少し大きな音量でまた単音を鳴らすとか、いろいろ考えられます。

 以上が私の意見です。携帯電話に関して素人の私が考えたものですから、間違っているところが多々あるかも知れませんが、皆さんが携帯電話の着信音について考えるきっかけになれば幸いです。もし、ご覧になった皆さんによいアイデアがありましたら、是非お聞かせ下さい。

(10-2)